インターネットでつなぐ機器に割り振られる「IPアドレス」とは

インターネットを形成するネットワーク上で、コンピューターや通信機器の間で情報をやりとりするため、それぞれを特定できる「固有の番号」が割り振られており、それが「IPアドレス」です。

「IPアドレス」の「IP(アイピー)」は「Internet Protocol」の略で、さらに「Protocol(プロトコル)」とはネットワーク経由で情報を扱うときに必要な技術的な通信規則(ルール)のことです。

「プロトコル」とは、ネットでつながるための「お約束」

つまり、私たちが日頃、インターネット経由で情報を交換できるのは「IP」という規則があるからで、そのルールに従い、ブラウザーやメールソフトで情報の受け渡しをしているのです。

 

そんな「IP」のルールで結ばれたのが「IPネットワーク」で、そこにつながれたコンピューターや通信機器の間で情報をやりとりしています。

そのため、それぞれの機器をネットワーク上で特定できるように「固有の番号」が割り振られており、それが「IPアドレス」です。

 

たとえばブラウザーで「Yahoo! JAPAN」を利用したいときは

  http://www.yahoo.co.jp

というアドレスを入力して読み込めばページを開くことができます。

でも、実は「Yahoo! JAPAN」のトップページは

  http://203.216.243.240

というアドレスでも開くことができます。

この 「203.216.243.240」 という数字部分が、Yahoo! JAPAN のトップページのサービスを提供するサーバーを示す「IPアドレス」なのです。

 

インターネットを経由して、何かのサービスを利用したいときは、そのサービスを提供しているコンピューター(サーバー)を指定する必要があり、そのためサーバーは固有のアドレスを取得しています。

それが「IPアドレス」であり、数字のままでは人間には判別できないので、サービスとして公開する場合は「www.yahoo.co.jp」といった分かりやすい「別名」を与えることもある、というわけです。

 

強引にたとえれば、郵便番号で大まかな住所が分かるようなものです。

つまり「203.216.243.240」というアドレスが分かれば「Yahoo! JAPAN」のサービスを提供しているウェブサーバーの場所までたどり着ける、というわけです。

このことで「203.216.243.240」といった固有の数字が「IPアドレス」と呼ばれているのが何となく分かってもらえるかと思います。

 

一方、利用者がインターネット接続をするときも、プロバイダー経由で自分のパソコンやスマートフォン、あるいは接続ルーターに固有の「IPアドレス」を割り振ってもらう必要があります。

 

ひとつの「ルーター」を経由して、複数台のパソコンやスマートフォンをインターネットに接続している場合は、「ルーター」に割り振られた同じ「IPアドレス」を経由していることになります。

たとえば、自宅の同じ無線ルーター経由でヤフーにログインしたパソコンとスマートフォンは、以下のように同じ「IPアドレス」経由だという履歴が残っています。

 

つまり「匿名」でインターネット掲示板に書き込んでも、通信記録には接続に使った「IPアドレス」が残り、プロバイダーが接続情報を開示すれば、どの利用者が書き込んだか割り出せてしまいます。

もちろん、事件絡みで警察から依頼でもされない限り、プロバイダーは第三者に接続情報を開示したりはしませんが、割り出せることは知っておくべきでしょう。

 

極端な話、パソコンをウイルスや悪質なソフトで乗っ取られ、遠隔操作で問題を起こされると、通信記録の「IPアドレス」から特定されて「無実の罪」を被せられる可能性だってあるわけです。

日頃、普通にインターネットを使っている時には「IPアドレス」を意識することはありませんが、サービスを利用するときには情報が通信記録として残ることは知っておいたほうがいいでしょう。

 

ちなみに、自宅で複数台のパソコンやスマホをひとつのインターネット接続の契約でつなぐときは、ルーターを使って家庭内だけで使う特別なIPアドレスを割り振ったりします。

192.168.1.1 や 192.168.1.2 など

といった IPアドレスを見かけたことがあるかもしれません。

これは「プライベートIPアドレス」と呼ばれ、ルーターで限られたネットワーク内だけで使えるものです。これで各家庭や職場が、たくさんの固有の番号(グローバルIPアドレス)を用意しなくてもよくなります。

このあたりは一般の利用者であれば「へ~」程度で十分でしょう。

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