「エクスプローラー(explorer)」は「探検家」や「探究者」を意味する単語であり、そもそもマイクロソフトはウインドウズのファイル管理ツールを「エクスプローラー」と呼んでいました。
そしてインターネットが登場し、ホームページを開くためのソフト(閲覧ソフト=ウェブブラウザー)を「Internet Explorer(インターネット・エクスプローラー)」と名づけたのは自然の成り行きといえるかもしれません。
インターネット・エクスプローラー(Internet Explorer 以降 IE)は、1995年には初期バージョンが登場しますが、一般の利用者が使い始めたのは1997年に登場した IE4 からでしょう。
◆ Internet Explorer - Wikipedia
IE4 の頃から、マイクロソフトは Windows98 といったウインドウズOS との親和性を高め、ウインドウズを使ってインターネットをするなら、自動的にウェブブラウザー(以降、ブラウザー)は IE を使うという環境を作ったことで一気に普及しました。
そして2001年に登場した Windows XP の成功とともに、その標準ブラウザーとして搭載された IE6 は一気に普及し、長く市場を独占することとなりました。
ところが 2006年に IE7 が登場するまで、実に5年もの間、ほとんど IE6 は進化しなかったため、競合から「タブ」を使った画面切り替えができる「タブブラウザー」など魅力的なブラウザーが登場してきます。
中でも、ファイアフォックス(Firefox)はタブブラウズ機能や豊富な「アドオン」プログラムによる機能強化、そしてセキュリティの強化などで人気を得て、世界的には徐々に IE からシェアを奪い始めました。
これではまずいということもあり、Windows Vista に標準搭載された IE7 はタブブラウザーとなりましたが、IE6 からの切り替えはなかなか進まず、2009年登場の IE8 と3つの IE が混在する状態になってしまいました。
そんな中で 2011年に登場した IE9 は、大幅な高速化を実現し、Windows 7 の普及もあり、やっと IE6 は終息に向かっています。
◆ Internet Explorer 6 Countdown
※ 2011年11月現在、日本はまだ 6.5% が IE6 を使用中。
一方、2008年以降、ネット検索大手のグーグルが高速性に的を絞った Google Chrome(グーグルクローム)、さらに iPhone、iPad などで絶好調のアップルが Safari(サファリ)など、強力な競合ブラウザーを提供して、徐々にシェアも伸ばしており、IE も油断できない状況です。
もちろん今後もウインドウズ OS で使われるブラウザーは、特に日本では IE が中心という状況に当面は変わらないでしょう。
それでも2010年代は、2000年代前半までのような
「IE がほぼ独占」という時代ではなくなった
といえます。
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