エクセルで計算式に「$」を使った絶対参照の表記を使いたいとき、2つの「$」を簡単に挿入する方法はありますか?
計算式から「$」を付けたい部分を選択して、『F4』キーを押すと 2つの「$」が付いた絶対参照の表記に変換できます。
エクセルでは計算式が入力されたセルを選択すると、右下にハンドルが表示され、
そのハンドルをドラッグすることで、ドラッグしたセルには計算式が連続データとして自動で入力されます。
たとえば「C1」に「=A1*B1」という計算式が入力されていると「C1」のハンドルを列方向(下向き)にドラッグすると
「C2」には「=A2*B2」、「C3」には「=A3*B3」と、計算式が自動で変化して入力されます。
これによって、たとえば各行ごとに「A列」には個数、「B列」には単価を入力すれば「C列」で各「値段(個数*単価)」の計算できるわけです。
では、今度は単価はどの行でも同じとして、あとで単価を変えることもあるといったときに、その決めた単価を「D1」に固定入力するとします。
ここで「E1」に「=A1*D1」という計算式を入力して「E1」のハンドルを列方向にドラッグすると、前回と同じく「E2」には「=A2*D2」、「E3」には「=A3*D3」が自動入力されてしまいます。
しかし今回は、単価を「D1」のままにしたいわけです。
こんなときは計算式に「絶対参照」の表記を使います。たとえば「E1」に
「=A1*D1」 ではなく 「=A1*$D$1」 と入力
つまり
列番号「D」と行番号「1」の前に「$」マークを追加して「$D$1」にする
のです。
こうすれば「E1」のハンドルを列方向にドラッグをしても、「E2」には「=A2*$D$1」、「E3」には「=A3*$D$1」といった具合に、常に単価には「D1」の値が挿入されるようになります。
今回は単純な計算式で解説していますが、複雑な式になっても同じセルの値を参照したいときは、この「絶対参照」の表記を使えば、ハンドルをドラッグして計算式を生成しても希望するセルの値は固定できます。
◆ エクセル(Excel)でセルの「絶対参照」「相対参照」とは
そんな「絶対参照」の表記ですが、たとえば「D1」を「$D$1」と編集をするのはキーボードではちょっと面倒です。特に「$」は「Shift」キーを押しながら「4」のキーを押すという日本人には不慣れな操作です。
そこでセル内の計算式で「$」を付けたい部分を選択して、『F4』キーを押すことで 2つの「$」が付いた「絶対参照」の表記に変換されます。
たとえば先ほどの計算式の中の「D1」を選択して『F4』キーを押すと「D1」だけが「$D$1」に変換されます。
ちなみに続けて『F4』キーを押すと、「$D$1」が「D$1」に、「D$1」が「$D1」に、「$D1」が「D1」に、と順番に変換されていきます。
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さらには既存の計算式でなく、これから計算式を作ろうとする場合にも 『F4』キーは使えます。
たとえば「E1」セルに「=A1+$D$1」と入力したい時は、まず「E1」セルを選択、「=」を入力した次に「A1」セルをクリックすると「E1」セルには「=A1」が入力された状態になります。
続けて「+」を入力し、次に「D1」セルをクリックすれば「E1」セルに「=A1+D1」が入力された状態になります。
この「D1」セルがクリックされた状態のままで『F4』キーを押すと「=A1+D1」は「=A1+$D$1」に変換されます。
文字だけでは分かりにくいですが、実際にやってみればすぐに分かると思います。少し凝った計算式で「絶対参照」の表記を使いたいときに
『F4』キーで変換できる
ことを覚えておきましょう。
理解を深めるための「パソコン用語解説」