電話サポートの上手な使い方

誰もが利用したことがある「電話サポート」について、ちょっとした「コツ」として「上手な使い方」を紹介してみたいと思います。

今回、紹介するポイントは以下の「3つ」です。

1.電話をかける前に質問内容を箇条書きに

2.事前に調べたり、準備できるものはないか

3.電話サポートのスタッフを「味方」に

 

どれも「当たり前」とも言える項目ですが、いざ実践すると案外、難しいこともあります。そこで、これらのポイントについて簡単に紹介していきましょう。 


どんなに高機能の電話機を使っても、一番大切
なのは人と人との「コミュニケーション」能力です。

 

1.電話をかける前に質問内容を箇条書きに

商品やサービスの「電話サポート」を利用するとき、その目的はなんでしょう?ほとんどの場合は『分からないことを教えて欲しい』『困ったことを電話で問い合わせたい』といったところではないでしょうか? 

 
問い合わせの内容を簡単な「箇条書き」に
しただけでも、頭の中が整理されるものです。

 

ところが実際に電話をかけると多少の緊張もあり、「分からないところが分からない」「うまく言葉で説明できない」といった状態に陥ることが少なくありません。さらにスタッフと会話をしているうちに内容が主題からずれてしまい、電話を切った後で「しまった!あれも聞いておけばよかった」なんて経験は誰にでもあるはずです。

そこで、思い立ったらすぐに電話をかけるのではなく、まずは何に困っているのか、何を聞きたいのか、面倒でもメモ帳などに箇条書きしておきましょう。

 

たとえば、あるサービスを退会したいけれど、その方法が分からないので電話するような場合は

◎ 退会手続きについて教えて欲しい。電話でできるのか?
 ・ 退会後の最後の料金請求はいつ?月途中の解約は可能か?
 ・ レンタルで使っていた機材の処理は?返却するのか?

といった感じで書き出しておくのです。項目が多いときには最も重要な項目に二重丸をつけておくとか、そういった工夫が効果的です。

 

例に出した「退会の手続き」のようなケースでは、電話で手続きが完了できた瞬間に「ホッ」としてしまい、電話を切ったあとで退会後のことも聞きたかったことがあるのを思い出し、再度、電話しなければならない、なんてことがあるわけです。

 

ご存知の通り、人気のあるサービスなどは問い合わせの電話がつながりにくい場合が多く、できれば一度の電話で知りたいことは全部、確実に聞いておきたいところです。

そして、この事前の箇条書きに電話で聞いた情報を追加でメモしておけば、あとになって忘れたり、勘違いしてしまったり、といったことも防げるわけです。 

 

2.事前に調べたり、準備できるものはないか

パソコンの電話サポートをしていて困るのが、何の情報もなく、いきなり「インターネットにつながらなくなった。何とかしてほしい」といったお問い合わせの場合です。

そんなときは、まずはパソコンのメーカーや機種、メモリー容量など各種情報、プロバイダやインターネット接続の方法などなど、ひとつずつ尋ねていくことになります。もちろん、すぐに答えていただければいいのですが、中には「私は初心者だから、そんなことは分からない。あなたは『プロ』でしょ?何とかして」の一点張りの方さえいらっしゃいます。

いくらプロでも『超能力者』ではないので、電話の向こうのパソコンやインターネット環境について、お客様から情報をいただかない限り、何も分かりませんし、最短の時間で適切なアドバイスや解決策を導き出すことができません。

 

たとえば、パソコンでは以下の項目が事前に分かっていると、サポートスタッフにスムーズに判断材料を提供することができます。

・ パソコン情報(メーカー名、機種名、OS名、搭載メモリー容量)
・ 周辺機器の情報(トラブルが周辺機器に関連する場合は必須)
・ インターネット関連(接続回線、プロバイダ、契約サービス名)
・ ソフトウエアの情報(トラブルがソフトに関する場合は必須)
・ トラブルの情報(現在の状態、トラブル直前の作業、使用ソフト)

 

トラブルが起きたときに、これだけのことを調べるのは大変なので、日頃からトラブルが起きた場合を想定して、分かる範囲まで事前に準備しておくといいでしょう。


Windows XP なら「マイコンピュータ」、Windows Vista なら
「コンピュータ」のアイコンを右クリックして「プロパティ」を選択。
使っているパソコンの基本的な「システム情報」が分かります。

 

もちろん、これはパソコンに限らず、どんな商品やサービスでも同じことで、スタッフに的確で迅速なサポートを期待するなら、質問する側も必要な情報をきちんと伝える必要があります。

 

購入したとき、あるいは入会したときの書類を手元に揃えておいたり、できる範囲で、製品やサービス名、質問したいことに関係ありそうな情報を事前にチェックしておきたいものです。

そんなのは面倒だ、という気持ちも分かりますが、案外、その確認作業をしているうちに電話サポートを利用しなくても、自分で解決できたりすることもあります。それでもなお、分からないことなら遠慮なく電話サポートを利用すればいいのです。 

 

3.電話サポートのスタッフを「味方」に

3つ目のポイントとして、これが案外、見落としがちなのですが、電話サポートをしてくれるスタッフを自分の味方にできれば、これほど心強いことはないということです。

 

電話サポートを利用する『本来の』目的は困ったことや分からないことを教えて欲しい、それをとりあえず電話で聞きたい、ということのはずです。ところが、サポート窓口を商品やサービスに対する不平や不満の「はけ口」と混同してしまう場合が少なくありません。

もちろん、商品やサービスで受けた苦痛や、その上でサポート電話もつながらないといった怒りをどこかにぶつけたくなる気持ちは痛いほど分かります。私も利用者の立場になれば、同じようにフラストレーションが溜まることも少なくありません。

それでも電話サポートのスタッフに、その感情をぶつけるのは得策ではありません。冷静に問題点の指摘や改善要求をするのは構いませんが、スタッフを叱責しても問題の解決にはつながりません。それどころか、せっかくあなたを助けようとしているスタッフの気持ちを萎えさせ、気持ちいいサポートを受けることができなくなることもあるのです。

 

電話サポートのスタッフは日々、お客様からの不平・不満の対応には心を痛めています。中にはスタッフの人格を否定するような発言をされ、あまりのことに傷ついて仕事をやめてしまうケースもあるほどです。

そのような環境ですから、不平不満を持った厳しい口調でサポートを要求しても、それによってよりよいサポートが提供されることはありません。  

 
電話で幅広い問い合わせに対応するスタッフは
いつでも「真剣勝負」で頑張っています。

 

なにより、電話サポートスタッフはその商品やサービスを開発したわけでも、販売したわけでも、ましてや苦情を聞くために働いているわけでもありません。そしてスタッフも「人の子」ですから、気持ちよいお客様には、よりよいサービスを提供しようと頑張れます。

すでに書いたように電話サポートは精神的にタフな仕事なので、お客様が冷静にお話をしてくださったり、その上で事前に準備をしてくれていたり、ましてや提供したサポートに感謝の言葉をいただけたりすれば「この仕事をやっていてよかった!」と心から喜べるのです。そういう状態で提供するサービスの品質が向上するのは言うまでもないでしょう。


◆◇◆

といったことで「電話サポートの上手な使い方」についてお話しましたが、とにかく気持ちのよいサポートを受けるには、実は3番目の「スタッフを味方にしよう」が一番、有効だったりします。もちろん人には「相性」というものがあり、どんなスタッフともうまくやれるわけではありませんが、最初からケンカ腰では何の解決にも結びつきません。

サポートスタッフは、電話一本であなたと一緒に問題を解決に導いてくれる大切な『パートナー』です。その彼らに適切な質問内容と事前情報を提供し、さらには『味方』にできれば、どんなトラブルも怖くない、そう思いませんか?

ご意見&コメント

パソコントラブルQ&A」をご利用いただき、ありがとうございます。

「参考になった」「ちょっと違うかも?」というときは TwitterFacebookページを使ってご感想やコメントをいただけると嬉しいです!励みにもなりますし、必要に応じて情報の追加や修正もしてまいります。

 

同じカテゴリー「語ろ具(ゴログ)記事」の記事

関連した記事を検索

パソコントラブルQ&A」「パソコン用語解説」では関連Q&Aや用語解説を豊富に掲載中です。検索してみてください!

年別Q&A (1121 件)

編集長のプロフィール

編集長

:パソコン生活応援アドバイザー。「なにしろパソコン.com」サイト運営、メルマガ編集、セミナー講師からコラム・書籍執筆まで実績豊富!

「パソコントラブルQ&A」ではトラブル解決のヒントなども紹介していますが、解決をお約束するものではありません。 トラブルの深刻度やご利用のパソコン環境によっては効果がなかったり、ほかのトラブルを誘発する場合もあります。そのため、作業前に大切なデータは、ご自身で必ずバックアップをおこなってください。

本サイトを参考にしたパソコン設定、サイト閲覧、紹介したソフトウエアや機器の購入&使用、そしてトラブル対応やインターネット活用は『利用者の責任』でお願いします(免責事項)。